ナフサショックで住宅価格はどうなる?

公開日:2026/07/14(火) 更新日:2026/07/14(火) 家づくり
美しい注文住宅の外観

世界情勢が落ち着くまで、家づくりは待つべきなのでしょうか

最近、ニュースなどで「ナフサショック」という言葉を目にする機会が増えてきました。

「また住宅価格が上がるの?」

「今は家を買わず、世界情勢が落ち着くまで待ったほうがいい?」

「これから住宅価格が上がるなら、賃貸のままのほうが安心なのでは?」

家づくりを考えている方にとっては、気になることばかりだと思います。

住宅は、人生の中でも特に大きな買い物です。先行きが見えにくいと、「今は動かないほうがいいのでは」と不安になるのも当然です。

今回は、2026年7月時点の世界情勢とナフサショックが住宅価格に与える影響、そして、これから家を建てるタイミングについて考えてみたいと思います。

 

そもそも「ナフサ」とは?

ナフサとは、原油を精製する過程でつくられる石油製品のひとつです。

住宅では直接目にするものではありませんが、ナフサを原料とした製品は、家のさまざまな場所で使われています。

たとえば、

断熱材
塗料
接着剤
シーリング材
防水材
配管
床材
壁紙
樹脂製品

などです。

つまり、ナフサの価格や供給が不安定になると、住宅に使われる多くの建材の価格や納期に影響が広がる可能性があります。

2026年は中東情勢の緊迫化や輸送ルートの混乱を背景に、原油やナフサなどの供給不安が続いています。日本政府も備蓄原油の放出や代替調達を進めており、ナフサ由来の化学製品についても供給確保の対応を続けています。日本全体として必要量を確保する見通しは示されている一方で、一部では供給の偏りや流通の目詰まりが起きているとされています。

 

ナフサショックで、住宅価格はどのくらい上がる?

「住宅価格が一気に何割も上がる」といった報道を目にすると、とても心配になると思います。

ただし、すべての住宅が同じ時期に、同じ割合で値上がりするわけではありません。

ナフサは住宅価格を左右する要素のひとつですが、住宅の価格はナフサだけで決まるものではないからです。

住宅価格には、

木材や鉄, アルミなどの資材価格
輸送費や燃料費
職人さんの人件費
住宅設備の価格
土地の価格
為替相場
住宅ローン金利

など、さまざまな要素が関係しています。

2026年6月の国内企業物価は、燃料や非鉄金属などの上昇を背景に前年同月比で大きく上昇しました。円安によって輸入価格も上がっており、原材料費や輸送費が幅広い商品価格へ転嫁される可能性が指摘されています。

そのため今後は、建材メーカーや住宅設備メーカーごとに、段階的な価格改定が行われる可能性があります。

ただ、「来月からすべての住宅が一律に○%上がる」と断定できるものではありません。

建てる家の大きさや仕様、使用する建材、土地の条件、住宅会社の仕入れ状況によって、影響は異なります。

洗練されたモダンなキッチンのインテリア
 

世界情勢が落ち着けば、住宅価格は下がる?

多くの方が一番気になるのは、

「今は高いけれど、世界情勢が落ち着けば住宅価格も元に戻るのでは?」

という点ではないでしょうか。

原油価格やナフサ価格が落ち着けば、建材の急激な値上がりや供給不足が緩和される可能性はあります。

しかし、住宅価格全体が以前の水準まで大きく下がるとは限りません。

なぜなら、住宅価格には原材料費だけでなく、人件費や物流費、設備費、法改正への対応費用なども含まれているからです。

一度値上がりした製品は、原材料価格が下がっても、すぐに元の価格へ戻るとは限りません。人件費や輸送費などが下がらなければ、販売価格を下げることが難しいためです。

また、世界情勢が落ち着くまで待っている間に、

・住宅ローン金利が変わる
・土地価格が変わる
・希望する土地が売れてしまう
・家賃の支払いが続く
・お子さまの入園や入学時期が近づく

といった別の変化が起こることもあります。

「建材価格が下がるまで待つこと」だけが、必ずしも家計にとって有利になるとは限らないのです。

 

今すぐ家を買ったほうがいいのでしょうか?

だからといって、すべての方が今すぐ家を買うべきということでもありません。

大切なのは、ニュースを見て焦って契約することではなく、自分たちにとっての買い時を整理することです。

家を建てるタイミングは、住宅価格だけで決めるものではありません。

たとえば、

・家族が増えて今の住まいが手狭になった
・子どもの入学までに生活環境を整えたい
・毎月の家賃負担を見直したい
・希望するエリアで土地が見つかった
・無理のない予算で希望する家が建てられる

このような条件が整ったときが、そのご家族にとってのひとつの買い時です。

反対に、自己資金や毎月の返済に無理がある場合や、働き方・家族構成が大きく変わる予定がある場合は、急いで決める必要はありません。

「住宅価格が上がりそうだから買う」のではなく、
「今後も安心して暮らせる計画ができたから進める」。

この順番が大切です。

 

賃貸のまま暮らすほうが安心?

賃貸と持ち家のどちらが正解かは、ご家族の暮らし方によって異なります。

賃貸には、転勤や家族構成の変化に合わせて住み替えやすいというメリットがあります。建物の大きな修繕費を直接負担しなくてよい点も安心材料です。

一方で、家賃を支払い続けても住まいが自分の資産になるわけではなく、年齢や収入状況によっては将来の住み替えが難しくなることもあります。

持ち家には、間取りや性能を自分たちの暮らしに合わせられることや、住宅ローン完済後の住居費を抑えやすいというメリットがあります。ただし、固定資産税や修繕費を自分たちで備えておく必要があります。

大切なのは、「家賃と住宅ローンの月額だけ」を比べないことです。

土地・建物・諸費用・税金・修繕費まで含め、将来の暮らし全体で比較する必要があります。

 

不安なときこそ、最初にするべきこと

世界情勢や住宅価格を正確に予測することは、誰にもできません。

だからこそ、最初から家を買うか、買わないかを決める必要はありません。

まずは、

「自分たちは、いくらまでなら無理なく返済できるのか」
「希望する地域では、土地と建物にどのくらい必要なのか」
「今の家賃と比べて、家計はどのように変わるのか」
「希望をすべて入れると、どこまで予算が上がるのか」

を具体的にしてみることが大切です。

漠然と「住宅価格が上がりそう」と考えている状態では、不安はなかなか小さくなりません。

しかし、土地代・建物代・諸費用・住宅ローンを数字にすると、

「今でも無理なく進められそう」
「もう少し自己資金を準備しよう」
「家の大きさや設備を調整すれば予算内に収まりそう」

といった判断ができるようになります。

家族が集う心地よいリビングダイニング
 

私たちは、不安をあおるのではなく、正直にご説明します

今後、住宅価格は現在より上がっていく可能性があります。

ただし、価格上昇を理由に、急いで家づくりを決めていただきたいとは考えていません。

垣本ハウジングでは、建材価格や住宅設備の価格、住宅ローン金利など、その時点で分かっている情報をできるだけ分かりやすくお伝えします。

また、最初のご要望をそのまま形にした場合の金額だけでなく、

・何に費用がかかっているのか
・どこを優先すべきか
・予算を抑えるなら何を見直せるのか
・将来必要になる費用は何か

まで、一つずつご説明します。

家づくりで一番避けたいのは、よく分からないまま契約を急ぎ、後から不安が大きくなってしまうことです。

「まだ建てると決めていない」
「賃貸と持ち家で迷っている」
「自分たちが住宅ローンを組めるか分からない」

そのような段階でも大丈夫です。

世界情勢が不安定な今だからこそ、大切なのは“正解の時期を当てること”ではありません。

ご家族の収入や暮らし、将来の予定に合わせて、無理のない選択肢を見つけることです。

ニュースを見て不安になったときは、一人で結論を出そうとせず、まずは現在の価格と資金計画を確認してみてください。

私たちは、お客様が納得して家づくりを進められるよう、価格についてもリスクについても、できる限り正直に、丁寧にお話ししていきます。

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